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ちゃんと活用してる?電子ブックの強力な武器「ヒートマップ機能」

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ここ最近、多くの電子ブック・デジタルカタログサービスで「ヒートマップ」機能が提供されるようになりました。読者やユーザーの直感的な反応をひと目で把握できるこの機能、皆さんはどのくらい活用されていますか? 今回はこのヒートマップ分析で何ができるのかをまとめてご紹介します。

※トップ画像:
© Syda Productions – Fotolia.com https://jp.fotolia.com/id/58568251

無意識に近い領域で何を感じ、どういう行動をしたか?

ヒートマップ機能は、サービスによって細かな違いはありますが、公開中の各ページのどの部分が一番多く見られたかを視覚的に表示してくれる、アクセス解析機能の一つです。

例えば、ファッション・ライフスタイルなどの雑誌や商品カタログなどで、読者はどのアイテムに関心を持っているかを分析したり、情報誌や会報などの冊子コンテンツでどの記事がきちんと読まれているか、などが分かるのです。

実際の解析結果は、注目を集めたところが赤色に、そうでないところが青色に近い色で表示されます。

こちらはebook5 のヒートマップ解析ですが、ユーザーが拡大・縮小操作を行った時の座標データなどを解析して視覚的に表示しています。

ebook5ではさらに、拡大表示をしたまま画面をスクロールさせるなどのタッチ操作も解析し、ユーザーの視線の流れも追うことができます。

こうしたユーザーの動向と、コンテンツの掲載期間に合わせて解析期間を区切り、ユーザーのページ滞在時間やPV数などの数値と組み合わせて解析することで、刊行物の読者が何を感じ、どういう行動をしたかを細かく分析することができるわけです。

印刷媒体で読者の動向を確かめるには、アンケートや抽選などの企画で投稿してもらうのが主なやり方でしたが、電子ブックのヒートマップ解析は、より無意識に近い領域で読者の関心を引いたもの、そうでないものをリアルに捉えることができるという点が大きな強みです。

モバイル端末での動きも解析しよう

現在、Webコンテンツの設計はモバイル端末からの閲覧も考慮することはほぼ当たり前になっているわけですが、電子ブックでも、モバイル端末からのアクセスは重視したいところですし、画面サイズや閲覧状況などの点でPCで閲覧するのとは違った解析結果になる可能性が高いです。

ebook5の場合は、管理画面でPCとモバイル端末それぞれの解析結果を切り替えて表示できます。

例えば、通勤・通学などの移動中に使われることの多いモバイル環境では、いわゆる一般消費者の視点での閲覧が多いと考えることもできますし、比較的大きな画面でしっかりと閲覧できるPC環境では、ビジネスパーソンか、あるいはしっかりと調べ物をする傾向の強いユーザー層が多いと仮説を立てて分析していくなど、閲覧環境に応じてユーザー層を切り分ける分析も有効だと思います。

レイアウトの効果もチェック
ただ、ヒートマップ解析で得られる情報はそれだけではありません。
例えば、写真と文章をレイアウトして見せるページのヒートマップを、PCとモバイルそれぞれで解析してみると…

<PC>

<モバイル>

PCでは文章だけでなく大きく配置した写真にも視線が行っているのに対して、モバイルではほぼ文章のみにフォーカスし、写真はあまり見られていない、ということがこの実例から読み取れます。

つまり、電子ブックで発信するのに適切なレイアウトだったかどうか、デザイナーが意図したとおりに読者の目線を誘導できていたかを確認することもできるのです。

この実例では、2ページ見開きにわたって大きくレイアウトした写真が、画面サイズの小さなモバイル環境ではかえって見づらく、関心を引かなかったのではないか? それでは、モバイル端末の1画面に無理なく収まるレイアウトにしたら、写真への注目度が上がるだろうか…? といった検証や試行錯誤も可能になります。

他にも、練りに練ったキャッチコピーがきちんと読者の心をつかんでいるかどうかなど、レイアウト上のユーザー目線の動きを追うことは、クリエイティブにおいても非常に役立つことと思います。このような理由から、ヒートマップの解析結果はぜひ、モバイルとPCの両方をチェックすることをおすすめします。

文章がどれだけ読まれているか?社内文書の読了確認にも

さて、ページのどの部分がどれだけ見られているかを表示するヒートマップ機能は、文章のみのコンテンツ=書籍や資料、社内文書などにも有効です。

例えば…

ページ中央が重点的ですが、見出しも含めて、中身もきちんと読まれているように見えます。見出しよりもむしろ、本文を集中して読んでいる読者が多い、と捉えることもできそうです。

これが逆に、見出しだけ注目を集めていて、本文はあまり注目されていないという結果が出れば、見出しだけさらっとみて、中身は読み飛ばされているのではないか? という懸念も出てきます。

こうした機能は、書籍の試し読みコンテンツで読者の関心をどれだけ集めたかを分析したりできるほか、社内文書など組織内で共有すべき資料がきちんと読まれたかを確認することもできます。

実は、閲覧用のID・パスワードをスタッフごとに発行して閲覧してもらうことで、誰がどれだけきちんと読んでいるかを一人ひとり把握することもできるのです。ある意味恐ろしいですね…。
もちろんそこまでしなくても、社内報や広報誌、CSRレポートなどの広報媒体を電子ブックでも配信することで、社員やステークホルダーに伝えたいことがきちんと伝わっているかどうか、伝わらなかったとしたらその原因は何か?といったことを探っていくのにヒートマップは非常に役立ちます。

読者の直感的な閲覧操作をもとにコンテンツの効果を分析するヒートマップ機能、電子ブックを運用されている方にはぜひ使いこなしていただきたいと思います。


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佐藤勝

佐藤 勝Writer

ライター/編集者/何でも屋。トマトが好物。IT、Web、デザイン、アート、映像などクリエイティブ関連の記事や企業のコンテンツなど、文字を書く仕事を中心に、色々やらせていただいております。

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