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デジタルカタログ導入で想定しておきたい運用コストとは?

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デジタルカタログは、印刷物が届かないところにもインターネットを通じて発信できるなど、さまざまなメリットがあります。ただ、導入にかかるコストは、デジタルカタログなどの制作・配信ツール以外にも想定しておかなければならないものがあります。今回は、実際にどんなコストや手間が必要なのか、まとめてご紹介します。

※トップ画像クレジット:
© liza5450 – Fotolia.com https://jp.fotolia.com/id/100170473

■印刷物の「流通の限界」を越えられるのがメリット。だが施策も必要

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2015年秋に期間限定で開催された、「Next Magazine」の雑誌コンテンツ

PDFよりも軽快に動作し、PC、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなデバイスで閲覧できるデジタルカタログ。印刷版カタログのデザインデータを流用できれば、比較的簡単にインターネットへ公開できるのも魅力です。

最大のメリットと考えられるのは、印刷物の宿命でもある、流通の限界を越えることができる点です。
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印刷したカタログをより多くの人に見てもらうために、駅や商業施設などに置いたり、街頭で配布したり、ダイレクトメールやポスティングなどで各家庭に届けたりと、さまざまな施策を行うわけですが、印刷部数や流通範囲にはどうしても限界があります。
デジタルカタログは、印刷版カタログが届かないところでも、インターネット経由で閲覧してもらえるというのが重要なポイントです。このことは、先日の記事でご紹介した電子チラシにもあてはまりますね。

ですが、単にデジタルカタログをインターネットに公開しただけで、劇的に効果をあげるのは難しいのが現状です。
より多くの人にデジタルカタログを見てもらうためには、きちんとした施策を行う必要があります。

■デジタルカタログを「見てもらう」ための施策とは?

デジタルカタログはインターネットで発信するだけあって、その施策はWebサイトの集客に似ています。デジタルカタログまでの導線として考えられるものは…。

(1) Webサイトに掲載する

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リリカラ株式会社のカーテンのデジタルカタログページ。カタログの種類も豊富で、販売店・工務店など、プロのニーズもあるため、アクセスしやすい場所にまとめられています。


(出典:http://www.lilycolor.co.jp/interior/catalog/index.html

検索で情報を探しに来てくれたユーザーへの最低限の対応として、まずは自分たちのWebサイトに掲載するのが基本でしょう。
デジタルカタログをまとめたページを作ったり、トップページにバナーを設置したりするため、場合によってはWebサイトの改修やデザイン変更が必要になるかも知れません。Webサイト制作を外注している場合は、このあたりの外注費も想定しておく必要がありそうです。

(2) SNSで発信する

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ebook5の公式Facebookページ。

「デジタルカタログを発信していますよ」ということを多くの人に知らせるには、SNSを使って繰り返し情報を発信していくのも大切になります。
カタログだけでなく、自分たちのターゲット層が必要としているさまざまな情報を投稿し続けることで、フォローしてくれるユーザーが増え、カタログを閲覧してもらえる可能性も高まります。

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「ちょいのりレンタカー」公式Twitterアカウント。


(出典:https://twitter.com/choinori_renta

もし、FacebookページやTwitterアカウントをまだ開設していない場合は、この機会にアカウントを開設し、担当者をきちんと置いて、日常的に情報を発信していく体制を作る…といった、思い切った投資も必要になるかも知れませんね。

(3) インターネット広告を活用する

さらに集客に力を入れたい場合は、インターネット広告を打つことも検討しなければなりません。
キーワード検索を利用するユーザーに向けたリスティング広告はもちろん、先ほど紹介したFacebook、TwitterなどのSNSで広告を展開するのも有力な手段です。

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例えば、Facebookの広告機能では、年齢や性別、学歴、仕事、趣味、子供の有無などさまざまな要素でターゲット層を絞り込んだうえで広告を表示させることができますし、地域を限定して配信することも可能です。

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東京ダンスヴィレッジのTwitter広告(Twitterアプリでの表示例)。

若いユーザー層が多いといわれるtwitter。こちらも広告を検討する価値がありそうです。
ユーザーの性別や地域などのほか、ユーザーの使用している端末の使用環境なども細かく指定して配信できます。スマートフォンアプリやソーシャルゲームのプロモーションに使われる例が多いのもうなずけます。

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スマートフォンアプリで手軽に運用できる「LINE@」。

もし、レストランやショップなどで地域限定のプロモーションをしたい場合、「LINE@(ラインアット)」も選択肢の一つになり得ます。店頭のポスターやPOPなどで告知する、あるいは「割引クーポン贈呈」「記念品プレゼント」といった優待条件をつけて、LINE@で友達登録してくれるユーザーを増やしていくのです。お店のファンを増やすことができれば、デジタルカタログを読んでくれる人もより多くなるはずです。

■まとめ

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© Monet – Fotolia.com https://jp.fotolia.com/id/94460603

日々発信する情報を受け取ってくれるユーザーが増えれば、カタログの効果もじわじわと上がってくるでしょうし、カタログを見てくれていなくても、その他の情報がきっかけで問い合わせや売り上げにつながるケースも出てくるでしょう。Web上のプロモーションに力を入れることは、「デジタルカタログが見られる」以上の効果ももたらしてくれるはずです。

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ebook5の管理画面での、アクセス解析機能

そのためには、実施したプロモーションがきちんと効果を出しているかどうか、アクセス解析ツールなどで分析して、随時改善していく行程も必要になります。

こうして見ていくと、デジタルカタログを作ることより、それをプロモーションする方が、はるかにやることが多そうですね。
デジタルカタログ導入を検討されている方は、制作にかかる費用以上に、プロモーションにかかるコストや人手がかかることを想定して、予算や体制を考えていただければと思います。


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佐藤勝

佐藤 勝Writer

ライター/編集者/何でも屋。トマトが好物。IT、Web、デザイン、アート、映像などクリエイティブ関連の記事や企業のコンテンツなど、文字を書く仕事を中心に、色々やらせていただいております。

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