大容量デジタルカタログの使い勝手向上のカギは、検索性を高めること
- 7745
- views
ボリュームの大きなカタログ冊子をデジタルカタログにすると、持ち運びが楽になったり、検索機能が使えたりと、さまざまなメリットがありますが、ただ印刷版のカタログを電子化しただけで飛躍的に使いやすくなるわけではありません。今回は、デジタルの強みを生かして、大容量カタログの検索性を高める方法について考えたいと思います。
建材やインテリア、機械の整備マニュアルやパーツリストなど、業界関係者向けのカタログは往々にして、かなりの厚みとボリューム、あるいは冊数になる傾向がありますね。
デジタルカタログを使うようにすれば、閲覧できる環境さえあればどこからでも開くことができるので、例えば作業現場やお客様への訪問時にカタログを参照したい場合に、タブレット端末などですぐに閲覧することができます。大量の資料であっても、持ち運びに苦労することはないでしょう。
しかし、デメリットがないわけではありません。
印刷版カタログの入稿データをそのままベースにしてデジタルカタログを作成した場合、ディスプレイで見た時の視認性に影響が出る可能性があります。
例えば、こちらはLIXILさんのカタログですが、
http://webcatalog.lixil.co.jp/iportal/cv.do?c=8238240000&pg=34&v=LXL13001&d=newinter
(出典:http://www2.lixil.co.jp/)
資材の一覧やスペック、設置作業にかかわるさまざまな情報を100ページ以上にわたって収録しています。
情報が多いため、もともと文字サイズが小さいデザインになっています。
閲覧すること自体はできますが、個々の説明文を拡大・縮小の操作なしに読み取ることは困難です。
ディスプレイサイズの小さなスマートフォンやタブレット端末で見た場合に、細かい情報はどうしても見づらくなってしまいます。
その見づらさをデジタルカタログの機能で補うためには、やはり検索機能を向上させることが重要になります。
1. 基本はキーワード検索
現在、多くのデジタルカタログでキーワード検索機能を使うことができます。
(出典:http://www.toto.co.jp/com-et/webcatalog/)
こちらは、TOTOさんのカタログです。やはり大容量の資料ですので、検索機能があると助かりますね。
(出典:http://www.toto.co.jp/com-et/webcatalog/)
このデジタルカタログは、キーワードにヒットしたページをサムネイルで表示し、さらにページ内でヒットしたワードをハイライト表示するようになっています。
これだけでもかなり便利ですが、複数のワードを組み合わせて検索できるようになれば、さらに検索が楽になるでしょうね。
ただ、キーワード検索が万能というわけではなく、例えば「屋根」「ドア」といったシンプルなワードでは膨大な検索結果が出てきて、結局時間を取られてしまう…といったことになる恐れもあります。
そこで、キーワード検索以外の方法で検索性をカバーできる方法はないでしょうか?
可能性の一つとして、目次機能を充実させる方法があります。
2. 使いやすい目次をつくる
デジタルカタログのどのページを閲覧していても、メニューボタンなどの操作で瞬時に呼び出せる目次機能。その一例として、スポーツ自転車やカスタムパーツ・アクセサリーを豊富に取り扱う東京サンエスさんのデジタルカタログを見てみましょう。
(出典:
もともとのカタログが取り扱いブランドごとに構成しているので、ブランド名から探せる目次構成は非常にわかりやすいです。自転車はそれぞれのブランドの強みとなる商品ジャンルがはっきりしている場合が多いので、こうした目次の作り方は適しているといえるでしょう。
また、先ほどのTOTOさんのカタログは非常にボリュームが大きく、目次に掲載される項目も膨大なのですが…
(出典:http://www.toto.co.jp/com-et/webcatalog/)
このように、 項目を階層化して
整理することで、目次がごちゃごちゃにならず、必要な商品カテゴリーを見つけやすくしています。
こうした目次をつくる作業は、印刷データからデジタルカタログに返還後に仕上げていく場合が多いと思います。このあたりに手間がかかることも念頭に置いておくと良いでしょうね。
3. その他さまざまな機能を組み合わせる
デジタルカタログのなかには、独自の機能で使いやすさを追求しているものもあります。
先にご紹介したLIXILさんのカタログでは、こんな機能も。
(出典:http://www2.lixil.co.jp/)
気になる商品や資材が載っているページをクリップしておいて、あとでまとめて一つのPDFに変換してダウンロードできる機能です。
お客様へのプレゼンテーションや、施工に必要な資材スペックをまとめるなど、ニーズに応じた資料をまとめることができるのです。
気になったページを記憶しておく「しおり」機能はよく見かけますが、これはさらに一歩進んだ機能といえるでしょう。
これは検索機能そのものではありませんが、デジタルならではのさまざまな機能を生かして、使いやすさを向上させている一例といえるでしょう。
膨大なデータを扱えるデジタルカタログであっても、ユーザーが快適に使えなければ導入の効果は期待通りにいかないかも知れません。ぜひ、こうした「使いやすさ」の追求も重視していただければと思います!
デジカタジャーナルはWebマーケティングの株式会社ルーラーが運営しています
Cookie等情報の送信と利用目的について