教育現場で普及する電子ブック!受験や学習に役立つ活用法に迫る
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大学案内パンフレットの電子化に代表されるように、教育機関でデジタルブックが採用されることは珍しくなくなりました。このような集客ツールだけではなく、教科書や参考書、図書など実際の授業や学内施設等で電子ブックが使われている割合はどれくらいあるのでしょうか。また、現代の子どもたちが電子書籍に触れる年齢は何歳くらいからなのでしょうか。今回は学校や塾・予備校など教育現場でのデジタルブックの活用について調べていきたいと思います。
もくじ
1. 教育機関で使われる電子ブック
2. 電子ブックを授業に取り入れるとどうなるの?
3. 大学や小中高校で活躍! 広がる電子パンフレットの普及
4. まとめ
教育機関で使われる電子ブック
冒頭でもお伝えしたように、最近では高校や大学などの学校で、パンフレットや募集要項を電子化することは当たり前になってきました。それ以外でも広報誌や年報など学内向けの冊子を電子化することで、学生や職員はもちろん、入学希望者やその保護者も学校内の様子を知りやすくなります。紙面だけの発行であれば、実際に学校まで足を運ばなければ手に入らなかった資料でも、電子ブックであれば閲覧することができます。それだけでもデジタル化する意義は大いにあると言えるでしょう。
授業での活用
学習塾や予備校などで、電子ブックを用いた授業が行われるところも増えてきたようです。オンラインで配信できるブックであれば、プロジェクターなどで教材を大きく映し出し、生徒たちの手元にタブレットを用意して授業を進めることができます。講師が書き込みをした情報なども含め、生徒は同様のテキストを閲覧することが可能になるため、板書の手間が減少し、授業内容に集中することが可能です。
もちろん「書くこと」で学習効果を高めることもあるかと思いますので、一概にどちらが良いとは決められませんが、授業内容によっては非常に有用な手段になるかと思います。
例えば動画や音声を埋め込むことが可能ですので、視覚だけでなく聴覚にもはたらきかけることができます。英語の難解な発音やイントネーションなどの習得にも役立ちそうですね。
また、どのような電子カタログ作成サービスを選択するかにもよりますが、切り抜き機能やふせん機能がついたブックであれば、疑問に思った部分や不明点をピンポイントで説明しやすくなります。
テキストをたくさん用意することなく、タブレットひとつで勉強しやすい環境を作ることができるため、電車やバスなどの移動中やリビングでの学習に最適です。
学校図書館での利用
大学を中心として、学校図書館にて電子書籍が借りられるようになってきています。米国では95%以上の大学が電子書籍に対応しているというデータがありますが、日本ではまだそこまでの普及はありません。
学内専用で閲覧が可能となっていますが、ID/パスワードの入力やVPN接続によって学外からアクセスできるライブラリも存在します。レポートや論文の執筆では参考資料として、どうしてもWebサイトだけではなく、文献が必要となる場合がままあります。時間帯や場所によって、書物が閲覧できないなどといったトラブルを解決できる、学生にとっては力強い味方といえるでしょう。
一橋大学では、書籍だけではなく図書館が作成した利用案内や展示解説を電子ブック形式でダウンロードすることができます。
資料検索のコツや論文の書き方など、利用者である学生に即したブックがたくさんあり、これだけで非常に有用なコンテンツとなっています。
電子ブックを授業に取り入れるとどうなるの?
電子書籍元年といわれる2010年頃から、小中学校で教科書をデジタル化しようという機運は高まってきています。法律上、現段階ではまだ「正式な教科書」としては認められないそうですが、実際に電子テキストとして採用している学校もあります。
文部科学省では2020年から本格的にデジタル教科書を導入するために、教科書の定義を変更する法改正を検討しているとのこと。今後は小中学校で、ますます電子化が広がっていくことは間違いありません。
※参考リンク
「導入できる? デジタル教科書」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/245744.html
また30代〜40代の親世代では、自身もスマートデバイスやPCなどに触れることが当たり前であることがほとんどであるため、子どもにも幼いうちからデジタル化された情報に触れさせる機会は多くなるでしょう。今後、デジタルネイティブ世代が親になっていくことを考えても、子どもたちが電子ブックに触れる時期はどんどん低年齢化していく可能性を秘めています。
もちろん、電子ブックを子どもに与えることには賛否があります。紙の本とデジタルデータでの学習効果の差異についてはまだ疑問が残るところですし、視力の低下など健康面でも懸念される要素は少なくありません。
そういった課題を解決することは重要ですが、もちろん電子ブックならではのメリットもあります。
前項で上げたように、動きのあるコンテンツを利用することもできますし、持ち運びも容易になります。学生時代に重たい教科書や辞書に辟易して教室に「置き勉」をした、なんていう経験をお持ちの方もいらっしゃるかとは思いますが、タブレット一台であれば携行が苦になりませんので、毎日家に持ち帰ることで、家庭学習にも寄与することでしょう。
余談ですが、電子書籍を活用することで子どもの読書嫌いが改善するかも、という興味深い調査データもあります。
6~17歳の子どもとその両親1074組を対象に、アメリカで行われた調査では、電子書籍を利用し始めてから、全体のうち21%がより多く本を読むようになったと回答しています。読書習慣のない子どもはもちろん、本好きの子どもたちも電子書籍によって、さらに読書家になっていくかもしれないという期待がかけられています。
※参考リンク
電子書籍は本嫌いの子どもの読書を促進する可能性を秘めている
http://gigazine.net/news/20130117-study-on-kids-reading/
大学や小中高校で活躍! 広がる電子パンフレットの普及
以上のような状況からも、参考書やワークなど、出版社が書籍を電子化することは珍しくなくなってきました。当然のようにインターネットが活用される現代では、学校側が生徒・学生を募集するにも、学校案内をデジタルパンフレットとして掲載することは不可欠な要素です。
ただ、そういった冊子だけではなく学校によっては、さらに一歩進んだ取り組みを行っています。ここからは、特徴的な電子ブックの使い方をしている事例を見ていきましょう。
多摩美術大学
大学案内:http://www.tamabi.ac.jp/admission/prospectus.htm
多摩美術大学では受験生に向けた「入試ガイド」をデジタル化しています。こちらの入試ガイドでは、過去の入試問題と合格者の入学試験時の実技作品を掲載。「試験問題出題のねらい、意図」や「実技問題採点のポイント」といった受験に役立つ情報がまとめられているので、入学希望者には非常にありがたい一冊です。
※デジタル版では掲載していない作品もあるそうです。
ほかにも「トナトリエ ~きみのアトリエ~」という雑誌のようなスタイルの冊子も掲載。
美大の特色であるアトリエ、工房、制作現場という視点で大学生から卒業生まで紹介しているとのことで、入学案内よりも学内や学生の雰囲気が掴みやすいかもしれません。
流通科学大学
受験生の皆様へ:http://www.umds.ac.jp/dbook/bs/index_list.html
兵庫県で唯一「マーケティング学科」を設置する流通科学大学。漫画でマーケティングの基本を学ぶ、という面白い取り組みをしています。しっかりと向き合うと難しい分野ですが、高校3年生という受験生と同世代の男子が主人公の漫画なので、とても親しみやすい構造になっています。
エピソードは全部で5話。読み終わる頃にはマーケティングとの距離がグッと近づき、進路選択のきっかけが生まれているかもしれません。
流通科学大学では、デジタルパンフレットの種類がとても豊富です。部活案内や入試ガイドはもちろんのこと、保護者に向けた進学ガイドも掲載。通学生・下宿生それぞれに向けた冊子となっています。
学生と保護者では重視するポイントや視点が異なることがほとんどですので、こういった冊子は進路を策定する上で非常に有用なメディアになりそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
授業や講義での活用や、外部へ向けたパンフレットとしての役割などなど、一口に電子ブック・デジタルカタログと言っても本当に様々な使い途があります。
今後、教育現場でのデジタルブックの採用はどんどん進んでいくことと思いますが、メリットやデメリットを踏まえた上で、紙媒体と上手な連携を保っていくことが理想であると考えています。
学校広報やPRでお悩みの場合は、いつでもご相談くださいませ。
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