デジタルの本、電子書籍を考える
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手軽に安価に、電子書籍による自費出版
近年、小説やマンガ、写真集など、フリーランスで活躍されているクリエイターや趣味で創作活動をしている方による電子書籍の出版が増えています。
自費で紙の小説を出版しようと思うと、部数とページ数にもよりますが何十万円、出版社との共同出版ではさらに莫大な費用が必要となるらしい、という話はよく耳にしますよね。
イラストやマンガの同人誌も、イベントなどで小規模に販売するだけでも数万円の費用がかかるようです。
金銭的負担が大きかった自費出版が、電子出版なら0円からできる。そんな時代が到来しているのです。
スマートフォンの普及と電子書籍の発展
インターネットを使った出版形態としては、2000年代半ば頃の「ケータイ小説」が電子出版の走りだったと言えるかもしれません。
フィーチャーフォン、いわゆる「ガラケー」から誰もが作品を発信できたケータイ小説は、若年層を中心にブームとなり、特に人気の高かった作品は書籍化されベストセラーに。さらには映画化される作品まで登場しました。
しかしフィーチャーフォンという画面の小さなデバイスでは判読性を優先せざるを得ず、文章表現の幅を狭め、文学作品としては否定的な意見も少なくありませんでした。
このブームは2008年ごろから沈静化していきますが、文字データと簡単な図案でしか配信できなかったフィーチャーフォンに代わって2010年代に普及したスマートフォンやタブレット、電子書籍リーダーは、紙媒体と遜色ない判読性と高い画像表現性を持ち、ここから本格的な電子出版の波が到来します。
電子出版最大のメリットは、印刷・製本といった製造と、書籍取次という流通を介することなく読者に書籍を届けられること。このため出版業界は大幅な構造変更を余儀なくされていますが、中間コストをカットできるため、読者はこれまでより安く購入できる可能性が出てきています。
もちろん紙の本にも判読性や保存性というメリットがあり、すぐに無くなる可能性は低いですが、電子書籍による出版は今後も増えていくことが予想されています。
簡単に作れるけれど、実際売るのはけっこう大変
誰もが気軽に出版できる電子書籍ですが、当然ながら「電子書籍だから売れる」ということはありません。
紙の本ならば書店で手に取ってくれる可能性もありますが、電子書籍はその数があまりにも膨大。大手電子出版サービスを利用して出版したとしても、トップページに並ぶのは著名な作者か有名なタイトルばかり。自分の本を発見してもらうことすら難しい状況です。だからこそ、自分の手で宣伝していかなければ、売れる電子書籍を作るのは難しいのです。
「宣伝」と言っても、お金をかけて広告を打つだけが宣伝ではありません。日頃からブログやSNSで自分や作品アピールして、ファンになってもらうことが大切です。ファンの誰かが作品に共感してくれたら、SNSを通じて共感の輪が広がり、フィーチャーフォン時代のケータイ小説のように、ベストセラーになれる可能性だってあるのです。
書きたい、描きたい、見てもらいたい。その想いを込めた書籍なら、きっと共感を呼べるはず。
誰もがスマートフォンを持つ今だからこそ、あなたが書き貯めた作品を世に送り出してみませんか?
この記事のまとめ
- ・電子書籍による自費出版は紙の本より手軽で低コスト
- ・出版社を介さないため、安価で読者に届けられる
- ・作れば売れるわけではない。宣伝が大事
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