会議やプレゼンで「紙のカタログの方が読みやすいよ」と言われたら?
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電子カタログを使った企画を社内あるいは顧客に提案した時に、「電子カタログより紙カタログの方が読みやすいよ」と、否定的な意見が出されたことはありませんか? 当ブログではこれまで、電子カタログがもたらすさまざまなメリットについて紹介してきましたが、実は「電子カタログが読みやすいかどうか」は最も議論すべきポイントではないのです。今回は、こうした議論が出てきた時に、ズバリどう答えるのがいいのか? という視点でまとめてみました。
※トップ画像クレジット:
© gewitterkind – Fotolia.com https://jp.fotolia.com/id/46187896
■「印刷物の方が読みやすい」のは事実。でも…?
電子カタログに限った話ではありませんが、「電子版と印刷版、読みやすいのはどちらか?」という問題は、電子書籍の普及が急速に進んだ2010年代初頭から、盛んに議論されてきました。さすがにここ最近ではあまり言われなくなってきたかな?と思いますが、実感として、印刷物の方が「読みやすい」のは確かですね。
印刷されたカタログは、中身も印刷物のサイズに最適なデザインとなっていますが、ほとんどの電子カタログは印刷版のデザインデータを流用して作成しているので、大画面のPCならともかく、スマートフォンやタブレットの画面では、ページをめくる度に拡大・縮小操作が必要になったりする場合もあります。
また、紙をめくって読むのと、電子デバイスを操作して冊子を読むのとでは、操作体験がかなり違ってきます。
例えば、冊子を手にすると、左右の手で支える紙の厚みによって、無意識的に「いま冊子のどのあたりを読んでいるか」が把握できますし、
この写真のように、気になるページに指をはさんでおいて、あとから一瞬でそこに戻る…といった技も、ほぼ無意識にできます。
電子カタログでは、こうしたことを実現するために、しおり機能を使ったり、ページ数を表示させる操作をしたりと、ひと手間かけなければなりません。
最近では、IKEAの製品カタログ紹介ムービーで、紙のカタログ冊子の使いやすさを、アップルの最新デバイス紹介のパロディという形で表現しています。
もちろん、印刷版カタログのPDFファイルをそのまま公開するよりは、PC、スマートフォン、タブレットなどの画面上で読みやすさを追求した電子カタログの方が快適に閲覧できますが、それでも、「印刷物の方が読みやすい」という見方に対して、正面から反論するのは難しいです。
そこで、「印刷物の方が読みやすい」ことは素直に認めつつ、印刷カタログにはないメリットを提示していく必要があります。次に、そのポイントについてご紹介します。
■印刷カタログの流通の限界を越えられる
当ブログでも何度か書いてきましたが、電子カタログの大きなメリットの一つは、「印刷物の流通の限界を超えられること」です。
印刷物にはそもそも「印刷部数」という制限があり、現物がなくなってしまったら、予算を追加して増刷をするほかありません。
また、駅や商業施設・公共施設など、印刷カタログを設置できる場所にも限りがありますし、ポスティングやダイレクトメールなどの手段を使っても、配布できる範囲に限界はあります。
(出典:http://www.hokkaido-ebooks.jp/)
その点、電子カタログはインターネット上に公開するものですので、日本全国、あるいは海外のどこからでもアクセス可能。先日の記事で紹介したように、インターネットユーザーに周知するための施策をとることで、印刷版カタログが届かない場所でも、より多くの人に見てもらえる可能性が広がります。
(出典:http://saas3.startialab.com/acti_books/1045173902/26002/HTML5/pc.html#/page/1)
また、製品に興味を持っているユーザーは、自ら検索して公式サイトに探しに来てくれますので、「印刷版カタログ」を郵送するくらいなら、画面上ですぐに閲覧してもらった方が、商機につながるチャンスは多くなるはずです。
(筆者も昨年、引越しの際に各インテリアメーカーのWebサイトに行って、電子版カタログをたくさん閲覧したものです)
また、建材カタログなどのように、ページ数がきわめて多く、持ち運びも大変で情報を探すのにも苦労する…といった冊子の場合は、電子カタログのメリットが際立ちます。
(出典:http://www.lixil.co.jp/)
目次機能、検索機能で目当てのページにジャンプしたり、気になる商品の情報を切り抜いて画像ファイルとして保存したり…といったこともできるようになり、顧客だけでなく営業マンにとっても便利なツールになっています。
■読者の傾向や行動をつかめるアクセス解析は、電子カタログならでは
電子カタログのもう一つの強みは、「読者がカタログを見てどんな反応をしているか」をとらえられる点です。
電子カタログサービスの多くに「アクセス解析」が導入されていて、一定期間内にユーザーが何人くらい来たか、どのページが多く見られているか、といった基本的な情報から、読者がページをじっくりと読んでいるか、あるいはパラパラとめくっているか、といった傾向まで、さまざまな情報を収集・分析し、カタログの内容や製品プロモーション全体に反映させることが可能です。
最近では、スマートフォンやタブレットでの閲覧状況を解析するツールもでき、「ページのどの部分が多く見られているか」まで分かるようになってきました。
これらは、印刷版のカタログにない、デジタルならではの強みといえるでしょう。
■印刷物を基礎に、さらなる顧客との接点をもたらすのが電子カタログ
ここまでのお話で、相手を説得できそうな気がしてきましたでしょうか?
大切なポイントは、印刷物と電子カタログを「どちらが優れているか」と対立軸でとらえるのではなく、印刷版カタログのコンテンツとしての魅力と、その流通範囲を基礎にしつつ、さらなる顧客との接点を開拓する「応用手段」と整理したほうが良いでしょう。
予算をかけて編集・デザイン・印刷して完成したカタログを配布する。その上で、デザインデータを再利用して電子カタログを作り配信する。
そのことにより、例えばお店に来られない遠方のユーザーにもカタログが届き、通販での売上アップに繋がったり、県外からの来客が増えたり、売れ筋商品の傾向をリアルタイムにつかんだり…といった成果を生み出すことができるのです。
特に、電子カタログのアクセス解析は、カタログの宣伝効果アップに活用するだけでなく、ユーザーの嗜好や行動を分析することで、マーケティングそのものに対するメリットももたらしてくれます。
もし、「紙のカタログの方が読みやすいよ」と反対されてもひるまず、大局に立った視点で電子カタログのメリットを提案していただきたいと思います。本ブログでは今後も、そのために役立つさまざまな情報を提供してまいります!
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