100円包丁でもスパスパ切れる!精神安定剤にもなる包丁研ぎのススメ
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毎日料理をする方、あるいは料理が趣味の方は、キッチンで包丁を使う機会が多いと思います。が、包丁は買ってから一度も研いでいない、あるいは市販のシャープナーを使っているけど包丁の切れ味はいまいち…といった方には、砥石を使った包丁研ぎをおすすめします。「面倒くさい…」と思うなかれ、一度自分でやってみると料理やお手入れ自体がいっそう楽しくなるかもしれませんよ。
よく見るとボロボロに刃こぼれしていませんか?
包丁の刃は使ううちにまな板や固い骨などにあたることで切れ味が落ちていきます。写真の包丁は買ってから5年以上、一度もきちんと研いだのことのなかったもの。石の入った溝で刃をゴリゴリするタイプのシャープナーでたまにお手入れしていましたが、買ったばかりの頃の切れ味に戻ることはなく、「こんなものか」と思いながら使い続けていました。
よく見ると細かい刃こぼれで刃先がボロボロになっています。
さすがに切れない包丁にストレスがたまってきたので、専用の砥石を買ってきて包丁研ぎができるようになろう!と決意しました。
砥石は100円ショップでも買える
包丁用の砥石はホームセンターなどで気軽に買えるのですが、最近ではなんと、100円ショップでも売っているのです。写真はダイソーで見つけた砥石です。
包丁研ぎに使う砥石は通常、目の粗い砥石(荒砥石)から細かいもの(中砥石など)へと、複数の種類を使うのが望ましいのですが、この100円ショップの砥石はかなり荒目の120番と320番が表裏セットになったもので、刃こぼれを徹底的に直すのに良さそうです。
また、仕上げ用として目の細かい中砥石も用意しました。
スエヒロ 両面砥石 ステンレス・鋼両用 中砥石/仕上砥石 No.2500-S
(出典:https://www.amazon.co.jp/)
こちらは、1000番、3000番の2種類がセットになっています。
包丁研ぎの準備はとても簡単
さっそく、包丁を研ぎ直していきたいと思います。手順はとても簡単なので、準備が整ったら思い切りよくやってみるのが良いでしょう。
砥石を水に浸す
まず最初に、砥石を水に浸し、中の空気が抜けるまで待ちます。
濡れタオルなどを下に敷く
泡が消えて内部まで水が浸透したら、包丁を研ぐ時に砥石が動かないように、濡れタオルを敷いてその上に砥石を置きます。まず最初は一番粗い120番の方を上にします。
先ほど紹介した中砥石の場合はあらかじめゴムの滑り止め台座が付属しているので便利ですね。
刃の角度を一定に保つのがポイント
準備ができたら、いよいよ包丁をといでいきます。やり方はだいたい砥石のパッケージに説明が書いてあるのですが、砥石に当てる刃の角度を一定に保ちながら、片面ずつシャリシャリと研いでいきます。
この、「刃の角度を一定に保つ」ことが重要で、包丁を動かすたびに刃先がグラグラするようでは切れ味もいまいちな仕上がりになるかも知れません。
包丁を動かしていても刃の角度が保てるように、腕の動かし方や姿勢を意識するよ良いと思います。
一般的に包丁研ぎに適した刃の角度は約15度と言われていて、ちょうど割り箸をはさんだ時の角度が目安だそうです。写真のように割り箸を砥石の端に置いておいて、適宜包丁を当てて感覚的に角度を確かめるのが良いでしょう。
割り箸を使って毎回確認してもうまくいかない、あるいは包丁を動かすたびに割り箸を吹っ飛ばしてしまう場合は、こんな便利なアイテムもあるので検討してみて下さい。
清水製作所 庖丁とぎ角度固定ホルダー スーパートゲール
(出典:amazon.co.jp)
これを包丁に取り付けて研げば、刃の角度はつねに一定に保たれ、上手に包丁研ぎができるというわけです。
反対側も同様に研ぐ
片面を何回かに分けて研いだら、包丁をひっくり返して反対の面も面面で研いだのと同じ回数だけ研ぎます。
最後に、もう一度包丁をひっくり返して軽く研いで刃先のバリを取ります。
終わったら砥石を裏返して、より細かい320番の方で同様に研ぎます。
中砥石で仕上げて、鏡面のような美しい刃に
100円ショップの砥石は目が粗いので、包丁を動かすたびにジャリジャリといった豪快な音がしたはずです。120番、320番の砥石で研いだ段階で刃こぼれも含め劇的に改善されているはずですが、より切れ味の快適さを求めるなら、細かい中砥石を使って仕上げるのがおすすめです。
先ほどご紹介したスエヒロの中砥石を水に浸して用意しました。
まず、青い方(1000番)で同様に包丁を研いでいきます。100円ショップの砥石よりもサイズがひとまわり大きく、作業効率が良いはずです。
終わったら砥石を裏返して3000番の方で仕上げていきます。包丁を研いでいると泥のようなものが出てきますが、これは洗い流さないようにして下さい。ここまで丁寧に仕上げていくと、刃先が鏡面のような輝きを放ち、美しくなめらかな刃になっているはずです。
試し切りで満足感に浸る
作業が終わったら、試し切りをしてみましょう。
これは一例ですが、コピー用紙を片手で持って、空中で包丁の刃を入れてみます。
切れ味が良くなった包丁は、あまり力を入れなくても刃がスムーズに入っていくはずです。
食材でも切れ味を試してみます。トマトを切ってみると、断面がスパッとなめらかに。
包丁の切れ味が良いと食材の細胞をあまり壊さずにカットできるので、サラダなどの野菜が美味しく感じられ、玉ねぎを切っても目が痛くなりにくいと言われています。
100円の包丁でもスパスパ切れるように
我が家にはもう1本、100円ショップで買った三徳包丁もあるのですが、ネット動画で100円ショップの包丁を丁寧に研いで切れ味抜群! みたいなコンテンツをよく見かけますので、自分もあやかって研いでみました。
結果、100円包丁でも鏡のような刃に仕上がりました。たった100円の包丁が格段に切れるようになり、いろんな食材がサクサク切れていくのには感動をおぼえます。キャベツの千切りも気持ちよくできて楽しく感じられますよ。
「研ぐ」行為そのものがストレス解消にも!?
包丁の切れ味がよくなると料理が楽しくなる…。それもそうなのですが、筆者はこの包丁を研ぐ行為そのものが精神安定剤というか、いいストレス解消になっています。
「家族が寝静まったあと、真夜中に1人で刃物を研ぐのが趣味です」といった話をすると周りに心配されるのであまり言いませんが、シャリシャリと小気味よい音を立てながらシンプルな動作に集中するのが、気分転換に良いのかも知れませんね。
砥石の扱いに慣れて上手に研げるようになってきたら、包丁の切れ味も料理の楽しさもさらに広がるでしょう。切れない包丁に限らず、日々ちょっとしたストレスを感じているそこのあなた。一度でいいので包丁研ぎを体験してみませんか?
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