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「ロイヤリティーフリー」って何?ストックフォトのライセンスの基本

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デザインや編集・映像制作など、さまざまなものづくりに役立つストックフォトですが、作品を購入すれば好きなように使って良いというわけではなく、一定の許諾(ライセンス)の範囲内で作品を使用できる「利用権」を買うという考え方に近いといえます。この仕組みを理解しておくと、より上手に(お得に)ストックフォトを利用できますので、なるべくわかりやすくご紹介したいと思います。

※トップ画像クレジット:
© photophonie – Fotolia.com http://jp.fotolia.com/id/48781984

1. 「ロイヤリティーフリー」は利用ライセンスの一種

画像素材を探すためにストックフォトサイトを検索していると、よく「ロイヤリティーフリー」という言葉が出てきます。
「フリー」という語感から、無料で好きなように使えるのかな?と思ってしまいがちですが、ロイヤリティーフリーの素材は「無料素材」ではありません。

ロイヤリティーフリー(RF)とは、素材の使用料を払うことで、許諾された範囲内で何度でも素材を利用することができるライセンスです。使用期限も設けられていない場合が多いので、雑誌のカットイラストやWebサイトのイメージ画像など、さまざまな用途に使うことができます。

その代わり、他のクリエイターも使用料を払えば同じ素材を利用できるので、例えば「自分の作ったバナー広告に載っているモデル写真と同じものが、他のサイトでも使われていた」、といったことが起こり得ます。
RFの素材は、ロゴや商標など、オリジナル性が求められるものには使えないケースがほとんどなので、注意が必要です。

これに対して、ライツマネージド(RM)というライセンスもあります。こちらは素材を利用するたびに、用途を申請して利用許諾を得る必要があり、用途や掲載メディアの形態などによって使用料が変わったり、掲載期間に期限が設けられる場合があります。

その代わり、一定期間、あるいは一定の地域で素材を独占的に利用できるので、他のメディアに同じものが出ているかも…といった心配はなくなります。

Webサイトや雑誌、書籍などでカットやイメージなどとして画像を使う場合はRFの素材を、書籍の表紙や企業カレンダーの写真といった、オリジナリティが求められるものにはRMの素材を利用するなど、用途に応じて使い分けると良いでしょう。

2. モデル写真の肖像権はどうなっているの?

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© Voyagerix – Fotolia.com http://jp.fotolia.com/id/68654913

モデルの写っている写真は、ストックフォトでよく利用される素材の一つですが、写っている人の肖像権についてはどうなっているのでしょうか?

ストックフォトで使用料を払って写真を入手したうえで、さらにモデルの肖像権についても許諾を取る必要があるのでしょうか?

実は、ストックフォトサイトに出品されている作品の多くは、購入者がスムーズに素材を利用できるよう、あらかじめ撮影者とモデル本人との間で、ストックフォトでの肖像権の使用について同意がなされています。このことを「モデルリリース」といいます。
「モデルリリース」が取得されている写真は、購入してすぐに使うことができます。

例えば、ストックフォトのフォトリアでは、クリエイターが写真を出品する際、個人が特定できるような写真についてはモデルリリースの承諾書を提出するように求めているので、モデルがばっちり写っている写真は安心して使用することができそうです。
ただ、街頭や祭りなどの写真に人が偶然写り込んでいる、といったケースでは、モデルリリースが取得されていませんので、注意が必要です。

他のストックフォトサイトでは、モデルリリースを取得しているかどうかを作品ごとに明記している場合もあります。

こちらは、123RFの作品情報画面です。

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写真の下に、「モデルリリース:はい」とあるので、こちらは取得済ということになります。

また、モデルだけでなく公共施設や世界遺産といった建築物を主題にした写真についても、商用利用する場合は所有者や管理者の許可が必要だったり、費用が発生する可能性があります。
建物の写真についての使用同意は、「プロパティリリース」といいます。ストックフォトサイトで特定の建物を主題にした写真を探していて、作品情報に「プロパティリリース取得済」と明記されていない場合は、トラブルを避けるためにも、掲載許諾について素材の提供者か建物の管理者に問い合わせるようにしましょう。

3. 基本的に利用NGのケースも

モデルリリースやプロパティリリースが取れていても、用途によっては素材を利用できない場合があります。

例えば、公序良俗に反する内容や、モデルや作者の不利益につながるような使い方はNGとしているサイトがほとんどです。このあたりは、モデルや作者の気持ちに立って考えればわかりやすいかと思います。

他にも、購入した作品をそのまま自分の作品として発表したり、第三者に転売あるいは譲渡する、出会い系サイトやアダルトサイトなどに使うといった行為は、ほとんどのサイトで「厳禁」となっています。

それぞれのサイトで、利用規約や免責事項、ユーザーが素材を利用できる範囲などについてのページがありますので、初めて会員登録をして利用する時によく読んでおきましょう。

例えば、フォトリアのサイトでは、通常ライセンスの場合は印刷メディアで50万部まで、テレビ映像や動画作品では視聴者数50万人まで、それ以上の場合は拡張ライセンスが必要になる…といったことがわかりやすく明記されています。

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ストックフォトサイトの素材は全てクリエイターの著作物です。つくった人に一定の敬意を払いつつ、ルールやライセンスを守って利用しましょうね。


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佐藤勝

佐藤 勝Writer

ライター/編集者/何でも屋。Web、デザイン、映像、アート、観光などの記事執筆や、企業・団体のコンテンツ制作など、色々やらせていただいております。 INSPIでは、生活やビジネスに役立つものづくりの情報から、面白スポットやまちづくりまで、さまざまなテーマの記事をお届けします。
http://lamp-creative.com/

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