今すぐ実践可能!社内報担当者ができること(3) 人手不足で新しい試みができない時は?
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これまで、社内報改善のアイデアについて2回にわたりご紹介してきました。3回目となる今回は、そもそも担当者がたった1人、もしくは少人数のために、担当者レベルで改善をしようにも、なかなかそこまで手が回らない…という悩みにお答えする内容です。人手がない場合でも社内報の誌面を充実させる方法についてご紹介します。
誌面を良くしたい!でも担当は自分1人で手が回らない…
筆者自身、社内報を担当した最初の5年間は自分1人しかいない状態でした。
予算やさまざまな条件により、社内報を発行する部署に多くのスタッフを配置できないケースはよくあります。社内報に関する全ての実務が集中し、かつ社内報以外の広報業務や一般事務も兼ねているケースも少なくありません。
そんな風に大量の実務に追われている状態では、目的意識をもってアイデアを出して誌面を良くしていきたいと思っていても、実行に移す時間とエネルギーが足りずにもどかしい思いをしている方も多いのではないでしょうか?
筆者もまさに、そんな状態からのスタートでした。
そこで考えたのが、何でも自分でやろうとするのではなく、社内の人や組織から「力を借りる」ことでした。
支社やスタッフが主役になる企画を立てる
その方法はずばり、各地に支社や事業拠点、あるいは社内の部署に連載や特集企画を1本持ってもらうことです!
地方の支社の場合、その地域にどんな人がいるのか、どんな文化や魅力があるのか…といった情報が支社に集まっています。地域性のある特集や連載の企画は立てやすいといえます。
分かりやすいところでいうと…
「地元の研究者・文化人たちが、さまざまな切り口で地元の魅力を解説するリレー連載」
「地元出身の著名人・歴史人物についての特集」
などは、支社の人びとにとってもやりがいのあるテーマなのではないでしょうか?
支社の方々にとっても、誌面企画を通じて、地元の専門家や著名人などとのつながりが広がり、さらに全国に向けて地元の魅力を発信することに誇りを感じながら取り組めることでしょう。
こうした企画は、沖縄や北海道、京都など、多くの人が関心を持ちやすい「独自の文化」を持っている都道府県の場合は特にやりやすい傾向があります。
しっかりとした事前相談と段取りが大切
もちろん、支社の方々はプロの編集者・ライターではないわけですから、企画を立てる段階だけでなく、スタートしてからもサポートは必要です。
編集部の方できちんとやらなければいけないのは…
(1)企画内容のすり合わせ
(2)原稿締切のスケジュール作成
(3)預かった原稿・画像の編集
(4)(必要があれば)執筆者への校正手配
編集部から支社にお願いする内容としては、
(5)執筆者とのコンタクト
(6)原稿の回収
(7)記事内容の監修(支社の視点から読んで問題ないかどうか…等をチェック)
といったところです。
(5)(6)(7)の部分を支社の方に担ってもらえれば、それだけでも編集担当者の仕事はだいぶラクになります。時間に余裕ができたら、企画立案などに時間とエネルギー使うことができようになるのです。
もちろん、支社が主役の連載を始められるようにするには、企画力と粘り強い説得が欠かせません。
連載の実現にまでいかなくても、普段から支社・グループ会社などにこまめに連絡を入れて、「執筆者を紹介してくれませんか」「社内報に載せたいネタはありませんか?」など、コンタクトを取っておくと、以外な地元のつながりから特集企画が生まれたり、優れた執筆者が見つかったり、といった可能性が出てきます。
社内報の場合は一般の出版物と違い、読み手も社内の組織やスタッフなのです。条件が許せばどんどん作り手に加わってもらい、「社員とともにつくる社内報」に近づいていけば、担当者が自分1人であっても心強くなりますよ。
「批判の声」を寄せてくる人を味方につける
人手や時間がないなかで頑張って社内報を作っているのに、会社の役員や社員、支社などから批判の声が寄せられたりしたら、どう感じるでしょうか?
「辛いなぁ…」「そんなこと言われても、今の状況では無理だよ…」など、モチベーションが下がるケースが多いのではないかと思います。
ですが、批判者が現れること自体は、社内報の誌面を良くするチャンスなのです。
その方法は…
「批判を寄せてくる人が現れたら、逆にその人に協力をお願いする!」
批判をしてくるということは、変わることを期待してくれているわけですから、ぜひそこに力を貸していただく。「こうするべきだ」という意見を寄せてきたなら、具体化に向けて一緒にアイデアを出したり、執筆者や取材対象を探したりと、実際に動いてもらう。
批判する側にも責任が伴いますので、逆に頼まれると断りづらいものなのです。
「ぜひ、あなたの力が必要なんです」と誠意をもってお願いされれば、「よし、やってやろうじゃないか」と、相談に乗ってくれるケースは多いです。
「読者も社員」である社内報というメディアだからこそ、こうした関係が成り立つわけです。
(社内報を作っていて一番辛いのは、読者の反応が全く返ってこないことです。より多くの読者の意見や声を集める方法については、過去記事「今すぐ実践可能!社内報で成果を上げるために担当者レベルでできること(1)」を参考にして下さい)
誌面に対する批判の声が聞こえてきたら、逃げるのではなく味方につける。協力いただいた方の名前を「企画協力:●●◯◯」と、きちんとクレジット表記することで、本人にとっても達成感のある記事になるはずです。ぜひ、あきらめないでチャレンジしていただければと思います。
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