【保存版】フィルムカメラの楽しみ方(2/3) どんな機材を揃えればいいの?
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デジタルの時代だからこそ、独特の楽しさがあるフィルムカメラ。前回の記事でご紹介したフィルムカメラの魅力を楽しむために、どんなカメラや機材を揃えればいいか、まとめてご紹介したいと思います。
(1)おおまかに 「フィルムカメラで何をしたいか?」から選ぶ
フィルムカメラとひと言でいっても、カメラのタイプによって、用途がかなり変わってきます。現在の需要から考えると、おおまかに次のように分けられると思います。
・あらゆる被写体を撮ってみたい/本格的に写真をやってみたい → 一眼レフカメラ
風景から人物、静物など、いろんな被写体を撮ってみたい方、あるいは、フィルムカメラで本格的に写真をやってみたい、という方には、まず一眼レフカメラをおすすめします。
一眼レフであれば用途に合わせてさまざまな交換レンズを使うことができますし、ファインダー画像も大きく鮮明で、作品づくりに集中しやすいという利点があります。もし、フルマニュアルの一眼レフカメラを使えば、写真撮影の基礎からテクニックを学ぶことができるでしょう。
・旅に持ち出してスナップを撮りたい → 高級コンパクトカメラ
主に旅行やお出かけの際に写真を撮りたいという方は、カメラなどの機材も小さく軽い方が嬉しいはず。同じフィルムカメラでも、一眼レフに匹敵する画質のレンズを搭載した高級コンパクトカメラは、旅のスナップを撮影するのにぴったりです。
写真の「CONTAX T3」もそんな高級コンパクトカメラの一つ。小さなボディですが、高画質のレンズは発売当時から高く評価されています。
・Instagramで映える、味のある写真を手軽に撮りたい → トイカメラ
(出典:amazon.co.jp)
予算はそんなにかけられないけれど、InstagramなどのSNSで注目を集めそうな、味のあるフィルム写真を手軽に撮りたいという方には、トイカメラという選択肢もあります。
プラスチック製のボディで、レンズもそれほど高性能なものではないため、数千円という安価で手に入れることができます。写真のHOLGAをはじめ、ロモグラフィーなどが有名で、カメラ屋さんだけでなく雑貨屋さんでも見かけることがあります。
もし、一眼レフカメラを選ぶ場合には、レンズもあわせて購入することになります。デジタル一眼レフの場合と同じように、標準ズームレンズ、あるいは35mm、50mmの単焦点レンズを最初の1本に選ぶことになると思います。
メーカーやブランドごとにレンズマウントの形が異なりますし、同一メーカーであっても、古いモデルのカメラと最近のレンズでは互換性がない…というケースがあるので注意が必要です。購入の前によく調べておくか、お店できちんと確認するようにしましょう。
基本的には、カメラボディに対応したレンズを買えば問題なく使えるのですが、「マウントアダプター」を介して、本来は非対応のレンズを組み合わせることもできます(写真の場合は、マウントアダプターを使って、キヤノンのカメラにCONTAX用のレンズを組み合わせています)。
このあたりは少しマニアックなやり方ですので、初心者の方にはあまりおすすめしませんが、カメラにハマっていくとこういう方法で楽しむこともできます。
(3)カメラを見に、中古カメラ店へ出かけよう
2017年現在、メーカーで生産が続いているフィルムカメラはごくわずか。ほとんどのフィルムカメラは中古市場で手に入れることになります。
まずは、中古カメラ店に足を運んで、実際にいろんなフィルムカメラを見てみましょう。
コンディションをチェック
気になるカメラがあったら、ショーケースから出してもらって、細部をチェックしましょう。少なくとも、次のポイントは確認しておきたいところです。
・ボディに大きなへこみがないか?
・フィルムフタを開けた時にぐらつきがないかどうか?
・シャッター音が気持ち良いか?
・ファインダー内の表示、ボディの液晶表示は問題ないか?
・(レンズを購入する場合)表面や内部のガラスにカビやくもりがないか?
モノとして魅力を感じるかどうかでも判断する
前回の記事でも触れたように、フィルムカメラはモノとしての魅力を楽しむ側面もあります。実際に手に持った時に、愛着が持てるデザイン・感触か? といった点も重要だったりします。
また、シャッター音も、わりと重要です。撮影するたびに聞こえるシャッター音が自分にとって気持ち良い音であれば、いっそう愛着をもってカメラを使うことができるでしょう。
(実は、スマートフォンや携帯電話で使われているカメラアプリのシャッター音は、フィルムカメラの音をモチーフにしたものが多いのです。フィルムカメラのシャッター音は今なお「カメラらしい音」として認知されているのかも知れません)
フィルムカメラを使うには、フィルムの準備が必須です。フィルム全盛期に比べれば選択肢はだいぶ減りましたが、現在でもさまざまなフィルムを使うことができます。
ネガフィルムは、お店でプリントに出すと明るさや色みを補正して出力してくれるので、初心者におすすめといえます。ネガフィルムの一種として白黒フィルムも入手可能ですので、一度は試してみると面白いかも知れません。
カラーリバーサルフィルム(写真)は、現像するとそのまま写真として鑑賞できるのが特徴で、豊かな色再現を楽しむことができます。その代わり、カメラの設定はネガフィルムの場合よりもシビアになります。
フィルムはメーカーやモデルごとに色の出方や粒状性などに違いがあり、そうしたフィルムの個性を理解したうえで使い分けるのも楽しみの一つです。
(5)カメラの他に要るものは?
カメラとフィルムを用意すれば、基本的に明るいところなら問題なく撮影できるはずです。
ただ、本格的にフィルムカメラを使うのであれば、あると便利なものが三脚と露出計です。
フィルムの撮影感度は、高い方でも800から1600程度。高感度対応が進む現在のデジタルカメラには及びません。暗い室内や夕方〜夜の屋外撮影では、手ブレが起こりやすくなります。三脚でしっかりとカメラを固定すると、手ブレによる失敗を軽減できます。
シビアなカメラ設定が求められるリバーサルフィルムの場合、単体露出計(写真上側)があると便利です。被写体の色にとらわれず正確な明るさ計測ができるので、設定の失敗を減らすことができます。
(6)カメラをダメにしないために…最低限のメンテナンスを心がけよう
(出典:amazon.co.jp)
これはデジタルカメラでも同じことですが、レンズに指紋やホコリがついた状態で使い続けるのは望ましいことではありません。レンズ上のホコリを吹き飛ばすブロアー(写真)やレンズクリーナーは用意しておきましょう。
また、カメラを湿ったところに密閉していると、あっという間にレンズにカビが生えて使えなくなってしまいます。
遠出から帰ってきた後、カメラをカバンのなかに入れっぱなしで放置するのはもってのほか。せめて、風通しの良いところに置いていただきたいですし、予算に余裕があればカメラ用の防湿庫で保管するのが理想的です。
せっかく買ったフィルムカメラですから、愛着をもって長く使えるように、最低限のメンテナンスは心がけたいところですね。
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