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日本人だけが読めないフォント「Electroharmonix」の遊び方

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ここ数日、日本人だけが読めないフォント「Electroharmonix」が話題になっていますね。日本語のカタカナやひらがなをモチーフにした欧文フォントで、日本語ネイティブの人が見ると、どうしても日本語に見えてしまい、判読がしづらくなるというもの。このフォントは無料公開されているので、今回はこのフォントを個人でいろいろ楽しむ方法を考えてみたいと思います。

Electroharmonix」は、カナダ出身、名古屋在住のデザイナー、Ray Larabieさんが無料公開してい欧文フォントで、個人利用、商用利用ともに可能。ダウンロードしたフォントファイルをPCにインストールすることで、Wordなどの文書作成ソフトやIllustratorなどのデザインソフトで利用できます。
(ソフトウェアに組み込んで使用する場合には、別途規約があります)

使用する前に、ダウンロードファイルに同梱されている、read_me.textファイルで使用条件を確認して下さいね。

electroharmnics_fon_001

これ、読めますか?
Electroharmonixフォントを、
ABCDEFG
HIJKLMN
OPQRSTU…というように、Word上でABC順に並べたものです。

一つひとつ見ていくと、
C=て
D=ラ
H=カ
V=レ

という風に、つい日本語として読み取ってしまいそうなデザインですね。
「これはアルファベットなんだ」と強く念じながら見ていくと、ああ確かにアルファベットとして読めるな、と感じる瞬間もあるのですが…。

しかもこのフォント、記号までもが日本語の文字に似せてデザインされているのです。
electroharmnics_fon_0042

「*」(アスタリスク)は漢字の「米」の字に、「#」(シャープ)は漢字の「井」の字にそっくりです。「?」に至っては、「と」が逆さまになったような形ですね。

試しに、文字を打ち込んでみました。
electroharmnics_fon_005

カモン、ウロヨ、ラロかナ、ラアモタや?

一瞬何を言ってるんだと思うようなこの文。対訳(?)は以下のとおりです。
electroharmnics_fon_006

これ、面白いですね!

下部の英文と見比べてみて下さい。
Crowded Houseの「Don’t Dream It’s Over」という曲の歌詞の一部なんですが、ぱっと見た瞬間、意味不明な日本語に見えて「ん? なんだ?」となってしまいそうです。

electroharmonix_007
(出典:http://typodermicfonts.com/electroharmonix/

「Electroharmonix」は、このフォント自身の紹介文にも使われています。もはや暗号?といった感じですが、字形に対応するアルファベットを覚えておいて、じっくりと読んでいけば、読めないこともなさそうです。
日本語の文字に慣れ親しんだ私たちは、ひらがなやカタカナに似た文字を見ると、どうしても日本語として認識してしまう傾向にあるようですね。逆に、英語など、アルファベットを使う言語のネイティブの方は、こうした文字を見てもすらすらと読んでいけるものなのでしょうか…?

ともあれ、この特徴あるフォントを利用して、色々遊んでみたいと思います。
まずは、名刺を作ってみましょう。

Wordのファイルメニューで「新規作成」を選択すると、テンプレートを選ぶ画面が出てきます。下の方に行くと、名刺のテンプレートがありますので、これを呼び出してみます。
electroharmnics_fon_009

すでに氏名、会社名、連絡先の部分がバランスよくレイアウトされているので、これらを書き換えるだけで、名刺のデザインが出来上がるものです。

electroharmnics_fon_010

いきなりElectroharmonix フォントで入力すると、自分が何を打ち込んでいるのか分かりづらかったりしますので、まずは、普通の欧文書体で情報を入力します。
入力が終わったら、書体をElectroharmonix に変更し、文字サイズや改行などを調整しましょう。

electroharmnics_fon_014

レイアウトした名刺デザインをプリントアウトしてみました。
一見、どこの国の言葉?と思わせるような印象で、SF世界のような雰囲気が感じられますね。

electroharmnics_fon_013

名刺サイズにカットしてみました。
これを実際に名刺として使ったら、「これは何と読むんですか?」といった会話から話が弾むかも知れませんね。
ただ、電話番号や住所、メールアドレスなどの情報も読み取りづらくなってしまうので、この名刺を使って連絡がつくかどうかの保証はありませんが…。

他にも、グリーティングカードのテンプレートで、ひとことメッセージに使ってみても面白そうですね。
electroharmnics_fon_011

あるいは、ポスターのテンプレートに当てはめて、ロゴとして使ってみたり。
electroharmnics_fon_012

このように、いろいろな媒体で使うことができ、見た目のインパクトが出せそうです。
Ray Larabie さんが考案したこのフォントは、日本語にも見えるけれど、SF世界に出てくる文字のような非日常性も感じさせる、絶妙なデザインになっています。

記事を見て「へー面白いね」と眺めているだけではもったいないかも知れません。こうしていろんなデザインや文字の組み合わせを試してみて、楽しんでみてはいかがでしょう?


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佐藤勝

佐藤 勝Writer

ライター/編集者/何でも屋。Web、デザイン、映像、アート、観光などの記事執筆や、企業・団体のコンテンツ制作など、色々やらせていただいております。 INSPIでは、生活やビジネスに役立つものづくりの情報から、面白スポットやまちづくりまで、さまざまなテーマの記事をお届けします。
http://lamp-creative.com/

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