デザインの色使い(配色)に悩んだら? 身の回りの実例から色を読み取ってみよう
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こんにちは。今回はデザインにおける色の使い方について考えてみたいと思います。 印刷物やパッケージ、Webサイトなどをデザインする時、「どんな色の組み合わせにしたら良いのだろう?」と迷った時には、身の回りにある印刷物やパッケージなどから色の組み合わせ(配色)を読み取ることで、有効なヒントが得られるかも知れません。さっそく、実例を見ながら考えてみましょう。
1. コーポレートカラーや国のイメージカラーを基調にする
企業などのコーポレートカラーを基調にする方法は、色選びに迷いがない分、個性をいかに出すかが求められそうです。
この実例では、同系色の色で小さな違いをつけて、統一感を持たせつつアピールしています。
国旗の配色を取り入れると、その国の雰囲気や風格をダイレクトに表現できますね。
2. あえて1色に絞る
あえて1色だけ、しかも階調のないべた塗り。白との対比が際立って、堅くハッキリした印象になります。伝えたい情報が明確な場合は有効なやり方の一つといえるでしょう。
3. 3つの原色をそのまま使う
3原色を使って全体をまとめると、それぞれの色が強く主張し合って、目を引く印象が強くなります。この場合は、光の3原色(赤・緑・青)ではなく、印刷インキ(色料)の3原色であるシアン・マゼンタ・イエローを使っています。全体的に明るめに揃えることで、どぎつい印象を和らげています。
写真も文字も全て色料の3原色にまとめると、新聞紙のようなチープな紙でも、強いインパクトが出せそうです。クールでアーティスティックに仕上がっていますね。
4. さまざまな色をミックスして賑やかにする
4色以上のカラーを織り交ぜていくと、とても賑やかでエネルギッシュな印象になります。この実例では、さまざまな色の写真をコラージュしていますが、同様の賑やかな効果が出ています。
パッケージデザインで言うと、箱入りティッシュがわかりやすい例だと思います。
ファンシーでカラフルな5色のパッケージは売り場でお客さんの目を引きつけるし、1個1個の色が違うから、使っていても飽きが来ない…まあ、最近ではどこのメーカーも同じ手法を採用するようになって、かえって違いを出すのが難しくなっているように感じますが…。
5. 写真の色を使って、全体を統一させる
写真のメインとなる色を、文字など他の要素にも使って全体の統一感を出す手法。パッケージや広告、Webなど、幅広いメディアで見られます。上のラップやパッションフルーツティーの実例では、素材写真の赤色をそのまま使って、全体を鮮やかな赤で引き締めています。
6. 写真の色を変えて、全体を統一する
こちらは逆に、最初にキーとなる色を決めておいて、写真の色をその色にあわせて統一感を出しています。写真が不自然になるくらいに色を変えるので、かえってインパクトが強まります。
また、印刷にかけられる予算が少ない場合に、色の数を減らしてコストを抑えるために、こうした手法をとることもあります。
7. モノクロに1色だけ加えてアクセントをつける
モノクロの中に1点だけ、あるいは少しだけ色がある…といった配色も、少ない色数でハッキリと伝える有効な方法の一つですね。この実例のように、ビジュアルはモノクロで文字はカラー、という風に住み分けをハッキリさせてあげると、伝えたいことがきちんと伝わり、ビジュアルもきちんとアピールできる、まとまりの良いデザインになると思います。
いかがでしたか。デザインにおける配色は、それだけで何冊もの本が出版されています。色の読み方や考え方も人それぞれですが、セオリーを押さえておくことで、より自由に発想を広げることができるのではと思います。
今回参考にした書籍はこちら。たくさんの実例と作例で、さまざまな切り口で配色のロジックと実践法を解説しています。
「すべての人に知っておいてほしい 配色の基本原則」
(エムディエヌコーポレーション、2625円 / 2013年1月発売)
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