【新刊紹介】企業イメージを高める広報ツール、CSRレポートの作り方

こんにちは。この1月末に、クリエイティブやデザインに関する本をたくさん出しているMdNさんから、企業の広報ツールについての新しい本が発売されます。デザインやビジュアル表現だけでなく、どのような考え方で制作し、展開していくかについてのヒントも満載の一冊ですので、その内容を少しご紹介したいと思います。

タイトルは少し長いのですが、『企業イメージを劇的にアップさせる新しい広報ツールの作り方、考え方。 』（MdN刊、定価 2,800円＋税）

本書で扱う広報ツールというのは、商品やサービスの販売促進のためではなく、企業が何を考え、目指しているのかについての本質を、関係者や社会全体に発信していくものです。具体的には、企業が取り組んでいる社会貢献活動などをまとめた「CSRレポート」や、投資家に向けて財務情報を分かりやすく報告する「アニューアルレポート」、採用活動に向けた「入社案内」…などなど。

実は、私もこの本のインタビュー記事を担当していて、モスフードサービス様の社会貢献活動を報告するCSRレポートについて取材させていただきました。

モスフードサービス様といえばご存知「モスバーガー」を中心に、日本と世界の各地にチェーン店を展開している会社です。そのCSRレポートは「モスのコミュニケーションレポート」と題し、主にフランチャイズに加盟し、各地で頑張っているオーナーの方を対象にしています。

地域での食育プログラムやタウンミーティングなどの活動、世界各国の店舗で地元に愛されるお店を目指す活動、「美味しい・安全・健康」をお客様に届けるための活動など、さまざまな取り組みを紹介しています。

取材では、この「コミュニケーションレポート」の企画・編集・デザインを担当している、シータス・ゼネラルプレス様のスタッフにインタビューを実施。さまざまな調査データをもとに「モスが大切にしていることは何なのか？」を徹底的に議論し、レポートの基本コンセプトを決めて制作していく過程や、対象者にきちんと伝わるレポートを作る秘訣について聞かせていただきました。

なかでも、きわめて大切なポイントは、「企業のことを深く理解すること」。現在の活動内容はもちろん、未来に向けてどう進んでいきたいのか、というビジョンを的確につかむため、関係者とのコミュニケーションや資料の読み込みには相当力を入れているそうです。

また、デザインも重要なポイントの一つ。
冊子全体を通して「モスらしい」雰囲気を演出しつつ、モスが人びとに伝えたいことについて共感をもって読んでもらえるよう、ビジュアルコンセプトを練り上げ、細部にまでこだわりながら作っています。
今回お話いただいたのは制作を請け負う立場の方々ですが、その内容は企業の広報担当の方にとっても必ず役立つ知識となるでしょう。

本書では巻頭記事の他にも、それぞれの広報ツールの役割と構成要素、制作フローやコスト管理、プレゼン成功の秘訣などの基本解説に加え、会社案内・アニューアルレポート、株主通信、CSRレポート、入社案内などの実例が50以上紹介されています。

皆さんもよくご存知の会社も多数収録。それぞれの実例のコンセプトやデザイン・演出などを詳しく紹介しているので、広報ツール制作の参考書として、きっと役立つことと思います。広報活動の担当者や、制作に携わる方はぜひ一度、手にとって見てみて下さい。

MdNさんといえばグラフィックデザイン関連の書籍が多いのですが、この本は「ビジネス・経済」カテゴリーで扱われる可能性がありますので、書店やAmazonなどで探す場合はご注意下さい。

また、前述のインタビュー記事でご紹介したシータス・ゼネラルプレスさんは、本書全体の監修も手がけているのですが、企業のCSR活動の担当者向けに、さまざまな情報を発信する独自のサイト「CSRコミュニケート」を運営されています。興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。