「コンテンツ東京2015」で出会った、地域発のコンテンツ・配信サービス
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東京ビッグサイトで本日まで開催中の展示会「コンテンツ東京2015」に行ってきました。コンテンツの制作から配信・マーケティングまで、幅広いテーマの商談イベントでしたが、そのなかでも地域の情報発信に興味を引かれたので、ご紹介したいと思います。
「コンテンツ東京2015」は、「コンテンツマーケティングEXPO」、「制作・配信ソリューション展」「クリエイターEXPO」など6つのテーマの展示・商談会をまとめたもので、この毎年恒例の「東京国際ブックフェア」「国際電子出版EXPO」とほぼ同じ会場・日程で開催されたため、かなり大規模なイベントになっています。
まず最初にお話を聞いたのが、「しずおかオンライン」さんと「ニューキャスト」さんの共同出展ブース。
ニューキャストさんの開発した自動組版システム「WPS」と、その自動組版をWebにも展開できる「paperweb」を展示。しずおかオンラインさんはWPSの導入企業なのですが、この度アプリやWebサイトにも自動でレイアウト・配信できるシステムとして、paperwebを共同開発したものです。しずおかオンラインさんが発行しているタウン誌の事例を見せてもらいました。
記事のテキストや写真などのデータは、Webブラウザで入力・管理。これが自動組版機能で…
こうなります!
自動でレイアウトされたとは思えないクオリティですね。
もちろん、あらかじめフォーマットを作成しておく必要があるのですが、DTPオペレーターが一つひとつレイアウトしていくのと比べれば、かなり作業効率を高められそうです。
タウン誌の公式アプリでも、このとおり。
もし、クライアントから修正指示が入ったとしても、管理画面で元の原稿を1度修正すれば、印刷版、アプリ版の両方に反映されます。
このWPSは月額利用料金75,000円から、paperwebの方は月額100,000円から利用できるとのこと(別途、初期費用などが必要です)。
特に、タウン誌やフリーペーパーなどはこうした広告の制作が大きな仕事になりますので、人手が少ない現場であればなおさら、導入のメリットが大きいといえるでしょう。
次に、学研さんのブースに伺いました。
さまざまな製品・サービスが展示されているのですが、なかでも、電子書籍モール「wook(ウック)」の事例紹介として、沖縄県のユーザーである近代美術さんが講演していて、注目を集めていました。
近代美術さんは沖縄県南風原町にある印刷会社。wookを利用して、沖縄県産本を電子書籍にして県外にも発信するポータルサイト「沖縄eBooks」を運営しています。
自社で発行するテーマ別の沖縄ガイドブック「OKINAWA100シリーズ」のほか、本土復帰前の沖縄の様子がわかる、創刊当時の貴重なバックナンバーも読める「オキナワグラフ」、米軍基地内で発行されている英字新聞「JAPAN UPDATE WEEKLY」など、本土の書店では手に入らない、沖縄の書籍が誰でも購入できます。
いま売れ筋のコンテンツは、沖縄のファミリーマートで限定販売されているコミック誌『ファミマガ』。
日本漫画家協会沖縄支部の会員や、ヒューマンアカデミー那覇校の学生らが作品づくりを担い、各界で活躍する沖縄出身の人びとの素顔に焦点をあてた作品などを掲載しています。
価格は税込で100円なのですが、沖縄のファミリーマート各店舗では発売初日にほぼ完売してしまうほどの人気。このように、全国では目にする機会が少ない、地域の貴重なコンテンツを電子書籍で読めるのはとても意義がありますね。
沖縄つながりで、こんな大きなブースも。
沖縄県と起業支援団体、地元企業などによる共同出展です。
なかでも、「沖縄デジタルコンテンツ産業振興協議会(OADC)」は、主にIT分野において沖縄で事業を始めたい企業や人に向けて、さまざまな助成プログラムを提供している社団法人です。
事業計画の審査で認定された「モデル事業」に、総事業費の4分の3にあたる助成金を出したり、沖縄で新規に雇用した人材の人件費を助成したりと、沖縄で起業したい人にとって心強い支援を行っています。
沖縄での事業拠点として利用できるスタジオや什器なども低コストで貸与してくれるとのこと。企業にかかる初期費用をできるだけ抑えて、沖縄に進出しやすくし、現地の雇用を生み出すところに大きな意義があると思います。
これらのプログラムの実例ではないのですが、沖縄で起業して8年目の会社の方のお話も聞くことができました。那覇市を拠点に、キャラクター創作、ゲーム・メディア制作などを幅広く手がける「DOKUTOKU460」さん。代表の城間英樹さんをはじめ、楽しい雰囲気の皆さんです。
城間さんは東京でゲーム会社に勤めた後、沖縄に戻って起業したそうです。
全国各地で販売されるガチャガチャ向け玩具のほか、さまざまなグッズを展開している「BUDOG コレクション」は同社のオリジナルキャラクター。
このように、魅力的なキャラクターを創造して各種メディアに展開するノウハウが同社の強みです。
オリジナルの映像作品では海外での受賞歴もあり、海外企業からの引き合いも少なくないとか。
「最初から海外を意識してものづくりをしていますね。私たちの作るキャラクターは、個性的だけれども国籍を感じさない点が特徴で、その方がグローバルな展開がやりやすいのです」と城間さんは話します。
沖縄から県外、そして世界を意識してコンテンツを発信する企業が活躍しているのを見ると、他の地方の企業にとっても大きな刺激になるのではないでしょうか。
「コンテンツ東京」は本日18時まで開催されていますので、東京ビッグサイトを訪れている方は、今回ご紹介したブースに足を運んでいただければと思います!
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