ARの面白さと可能性、大人も子どもも楽しめます。東京で開催中の「ICCキッズプログラム もの みる うごく AR美術館」
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テクノロジーによって現実の一部を改変して見せるAR(拡張現実)技術。業界向けの大規模な展示・商談イベントなどでは、ARがここ数年話題となっていますが、一般の人でもその魅力や可能性を体験できるイベント「ICCキッズプログラム もの みる うごく AR美術館」が東京で開かれています。
このイベントは、東京・新宿区にあるNTTインターコミュニケーションセンター(ICC)4階の特設会場で7月30日から開かれていて、入場は無料。展示内容は、AR機能を使ったスマートフォンアプリ「セカイカメラ」の開発者として知られる赤松正行氏と、3人の作家による「ARARTプロジェクト」が手がけています。
子どもにも親しみやすいグラフィックで、多くの家族連れが訪れていました。入口脇のカウンターで、閲覧用の端末(iPod Touchと思われます)を貸し出してくれます。
会場内では、夢中でその端末を展示物にかざす子どもや大人たちが。
たくさんの円筒のてっぺんには、それぞれ絵本のストーリーに沿った場面が描かれています。端末をかざすと…
画面のなかの絵が動き出し、日本語のナレーションが端末から流れてきます。これは「不思議の国のアリス」の物語をARで体験できる作品。実際の動きを動画で体験してみて下さい。↓
円筒に描かれた絵を順番に見ていくことでストーリーが展開していきます。「次はどんな動きやお話が出てくるんだろう?」と、物語に引きこまれていきます。
こちらは、古代から未来へと続く出来事を8枚の絵で表現した作品。端末をかざして、動き出す絵を見ることで、作品の語っているものが何なのかを読み取ってもらおうという試みです。
「モーメンツ・オブ・ブルーム」(北村穣)
キャンバスに描かれた花に端末をかざすと音楽が流れ、まるで命が吹き込まれたように、花を咲かせていきます。
一見、普通の立方体に見えますが、端末をかざすと、さまざまな色の点や線が動き出し、目の前にもう一つの次元が出現したかのような体験ができます。
これらの作品には、「ARART(アラート)」というモバイルARシステムをベースに開発されているそうです。端末がとらえた写真やイラストなどの画像を認識すると動作を開始し、画面写った現実の映像を解析して、そこに異なる画像を重ね合わせていくことで、現実の映像が変容していくように見せる仕組みです。
私は業界向けの展示会でAR技術の商品サンプルを見る機会があるのですが、印刷物や立体物に設置したマーカー(QRコードや写真・バナーなど)に端末をかざすと、画面内にアニメーションや写真、音楽といった「別のメディアが読み込まれる」タイプのものが多いように思います。しかし、この技術では、画面のなかにある静止画が息を吹き返したように動き出す、といった、よりリアルな感覚の表現になっているのが大きな特徴といえるでしょう。
現実が変容していく様子をリアルに見せるために、画面上での絵の位置や大きさ、傾きを常に計算し、オーバーラップさせる画像を随時最適化しているそうです。そのため、端末を傾けたり、ブレさせたりしても、不自然に見えないというわけです。
業界向けの展示会では当然ながら、「広告・宣伝に役立つ新しいメディアです!」「販促にぜひ使って下さい!」といった「売りたい気持ち」が前面に出たものが多いのですが、この展示会では、ARを純粋に楽しみながら、作品のストーリーや世界観を受け止めるという体験を主眼に置いています。
一般の方でも、「将来、こうした技術が身近になっていくんだろうな…」と感じるでしょうし、業界の方であれば、「こんなことができるなら、あんなことができないかな?」と、アイデアをふくらませるきっかけにもなるのではないでしょうか。
ARの面白さ、可能性を気軽に体験できるこのイベントは、9月1日(日)まで開催していますので、ぜひ足を運んでみて下さい。
ちなみに、iPhoneやiPadをお持ちの方は、このイベントのチラシでも、ARを体験できます。
まず、この展示に使われている「ARART」技術で作られたコンテンツを閲覧できる無料アプリ「ARART」をダウンロード。
アプリを起動して、iPhoneをチラシの表面にかざしてみると…
「AR」のロゴから何かが生まれ、動き出します。
会場に行けない方は、ぜひ体験してみていただければと思います!
■「ICCキッズプログラム もの みる うごく AR美術館」
会場:NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)4階特設会場
会期:9月1日(日)まで、月曜休館
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